2015/02/01                  三好 恵瑠(13)

  最近、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)関連の事件の話をニュースでよく耳にする。今は3DS、 iPhone、iPad、iPod、Walkmanの一部の機種でもSNSを使うことができる。SNSが多くつかわれる今日、どうしたらトラブルに巻き込まれずにすむのだろうか。その方法をさぐるために事件を扱う警視庁に取材した。

警視庁生活安全部

私たちはSNS関連の事件について知っていることはあまり多くない。そこで、中高生が被害にあった事件の傾向や相談、SNSの危険性や対策についての質問をぶつけてみた。答えてくれたのは警視庁生活安全部管理官少年育成課課長代理(少年育成担当)の古郷氏郎警視と警視庁生活安全部少年育成課学校地域係長の山崎広行警部だ。山崎警部は学校で非行・被害防止教室を開くなどの活動をしている部署に所属している。

警視庁の統計によれば、SNS関連の事件の被害児童数、特にコミュニティーサイトを通じたものは平成21年以降毎年1000人を超えているという。一番近い統計は平成26年上半期(1月~6月)のもので、全国の18歳以下の児童(ほとんどが中高生)698人が被害にあっている。その半数が青少年保護育成条例違反にあたり、「性」に関するものだと山崎警部は言う。そのほかワンクリック詐欺、メール上で知り合った人に個人情報を漏らしてしまったことによる恐喝などもある。これらを防ぐためには安易に個人情報を漏らさないことや、知らない人からのメールに気をつけることが大切だという。ストーカー事件にあうこともあり、「被害にあったらまず相談することが被害を大きくしないためには大切だ」と古郷警視は語った。

警視庁が考えるSNSの危険性やその使い方、行っている対策についても聞いてみた。
「SNSの危険性は相手が見えないことだ」と古郷警視は言う。SNSなどのコミュニティーサイトはネット上のつながりなので相手のことがわからない。相手がいい人ばかりだとは限らない。例えば、あるコミュニティーサイトに写真を投稿したとする。驚いたことにその写真から位置情報がわかり、自分の自宅等を追跡することができるのだ。そこからストーカー事件などにつながることもある。

 SNSの望ましい使い方には2つあるという。ひとつはフィルタリングだ。これは、携帯電話会社、本人、両親が関係することだと古郷警視は指摘する。フィルタリングは、携帯回線と無線LANの2つがある。最初はフィルタリングを皆つけているが、慣れてくるとはずしてしまうという。これを安易にははずさないことも大切なことらしい。二つ目は、家庭内や学校で話しあってルールを作りそれを守ることだという。

 古郷警視によれば警視庁が行っている対策は1つとして学校において概ね年に1回行っている教室がある。 警視庁のOBがスクールサポーターとして非行防止教室を行っている。その中で警視庁が製作したDVDを見せ、事例を教えたり、フィルタリングやルール作りの必要性を教える。児童・生徒自身に自分を守る方法を身につけさせることが目標だという。その他にも、サイバー補導というものがあり、インターネットの掲示板などに援助交際の書き込みをする子どもを見つけ、実際に会って注意をするというものもあるという。

 今回の取材で警視庁の担当者が繰り返し強調したことがある。それは、「早めに相談する」ということだ。相談する相手は、もし嫌だったら親でなくてもかまわない。そのために、警視庁ではヤングテレホンコーナーを設置している。匿名で相談することができ、しっかりと警察がアドバイスや捜査してくれるという。(相談電話番号は03-3580-4970)今日、SNS無しでは生活が成り立たなくなりつつある。みんなが有効活用できればとても便利で居心地のよい世の中になるのではないだろうか。しかし、SNSにはこの記事で伝えたようにたくさんの危険性がまだまだ潜んでいるし予防策を覚えねばならない。私たち子どもは安全にSNSを利用できる日が来ることを待ち望んでいる。