記者:三崎友衣奈(14)
現在、日本では小学校から英語教育を必修化することに関して様々な意見が出ている。実は、これは英国でも同じことで、 2008 年から第一外国語を小学校でも教える方向にあることに対し、英国でもやはり疑問の声は高いようだ。
第一外国語は小学校からやって本当に効果があるのだろうか。もしやるとしたらどのようにやっていけばいいのだろうか。チルドレンズ・エクスプレス日英記者交流の機会を使って英国のCE記者たちに話を聞いた。交流では 8 月 21 日~ 28 日の間に北アイルランド地方のベルファスト、ロンドンデリー、そしてロンドンの3箇所にあるCE局を訪問、インタビューも含めた交流を行った。
まず、英国の外国語教育について聞いたところ、フランス語、スペイン語からの選択が主流で、北アイルランドではアイルランド語を選べる学校もあった。英国での外国語教育は 11 歳~ 14 歳までで、 15 歳からは、やるかやらないか自分で決められる。授業の内容としては、読み書きが中心で、聞いたり話したりするのは最後。それにより、ほとんどの生徒が簡単な日常会話程度で精一杯だそうだ。
日英の外国語教育をくらべると、目立つのが意欲の違いである。今、世界の公用語は英語であり、特に日本では大企業や国際的な職業についきたい学生は英語の習得は必至である。それに対し、母国語が英語である英国の生徒は外国語の必須期間が終わるとやめてしまう。やはり英語が世界で通じると思うのだろう。
この外国語習得の意欲の違いがある上で同じように読み書きなどの授業を受けているにも関わらず、結果的に日本人と英国人の外国語が使えるレベルは同じである。そんな授業内容では、いくら小学校から英語をやっても結果は同じであろう。では、どのように英語を習っていけばよいのだろうか。
1998 年~ 1999 年まで英国で中学校のフランス語とスペイン語の教師だったポール・マーフィー氏は、「生徒は授業を面倒くさがるから、なるべく楽しくするようにゲームなどを授業の最初にとり入れている」と話す。
彼は小学校からの外国語教育に反対だ。「外国語の先生の私が反対するのもおかしな話だけど、英語が完璧でない小学生が別の言葉を勉強するのはおかしい」。実践するなら本当に基本的なことを遊びながら、「外へ出て公園で地図を広げ、右、左、と覚えていくなど、経験が大切だ。これは英国で英語を習い始めるときに似ている。とにかく、黒板を見て、ずっと書いているようなことは無くすんだ」。マーフィー氏は現在は小学校の教師をしている。
確かに、日本では中学校から英語を始めると机に向かって奮闘する人が多い。嫌々やっていたのでは上達するわけもない。時期を早めるより、中学校からでも、まず学ぶのが楽しいと感じさせることが肝心である。そのためには「英語は楽しい!」と思えるような授業が不可欠になってくる。日本ではまずそのような工夫こそ必要だろう。