藤原 沙来(15歳)
最近、渋谷や代官山、下北沢などでそれぞれの女性ファッション雑誌の対象年齢に関係なく幅広いオシャレを楽しんでいる女性をよく見かける。読者モデルとして読者から選ばれた私達により身近な存在のモデルも数多く活躍している。傾向は違うが様々なオシャレを提供している雑誌社4社と 読者モデル に話を聞いた。
「 JJ 」の 篠原恒木編集長( 45 )は「雑誌はある意味でファンタジーで夢を売るものだからページをめくるたびにリッチで楽しい気分になって欲しい。現実で散々嫌なことを経験しているのに雑誌までそうだったらつまらない」と話す。 「 Cawaii! 」 の林真紀子氏( 33 )も「雑誌は娯楽。教科書じゃない。うちは中身よりも外見の情報を重視。なぜならそれが読者の意向だから」と話す。雑誌は外見を左右するもので 、 楽しい気分になることが出来ればそれが目的の一つであると共通して話す。「モテ過ぎ注意!の小悪魔お嬢さんメーク」「日本全国 春のモテ服紀行」(「 JJ 」)など、 読者 を引きつける言葉が雑誌の 表紙を 飾っている。
「 SEVENTEEN 」の 高橋あぐり編集長は、 対象読者を 「クラスでキャーキャー楽しそうにしていて、悩んだり片思いをするような、ごく普通の女の子」と いう 。読者 は 同じような普通の女の子が 雑誌の中で 楽しんでいるのを見て 、 それを 自分 の生活に取り入れているのであろう。
「ピチレモン」の 白井和成編集長( 39 )は 読者のことを「 昔(5~6年前)に比べて友達関係で悩んでいる子が多い。毎月1回電話相談をしている。新しく友情についての読者のページも作った。はがきが沢山来ている」と話す。
「 Cawaii! 」 では街頭取材を行って実際に流行っているファッションを子どもたちに聞いて 、 それを雑誌にのせているという。 「 SEVENTEEN 」 でも、読者から届いたメールや 手紙 から直接取り入れているという。雑誌の多くが読者と密接な関係でファッションの先取りだけではなく、ありのままの子どもたちの姿を表している。
ファッション誌が 読者 の身になって作られ 、 それに共感することで 読者 のファッションがオシャレになっているのである。
「 PINKY 」 などで読者モデルを務める村上愛さん( 21 )は 「 JJ 」 や 「 CanCam 」 を読むオシャレ好きの大学生である。村上さんは「街に行けば確かに流行っている服は分かる。でも、自分は流行の一歩先をいっていたい。そういった情報がのっている の が雑誌。流行はお店に並んでから取り入れたのでは遅いと思っているから」「常に流行の一歩先にいたいというが 、 私達には外見は雑誌に載っている物をそのまま身につけているように見えてしまう」と話す。
「 Cawaii! 」や「 SEVENTEEN 」が話すように 、 今の女の子たちは切りかえが早く、すぐに流行の物は変わってしまうという。それとは違い、自分のオシャレの方法をくずさず自分なりのオシャレを楽しんでいることこそが真の外見のオシャレというのだろうか。
「 Cawaii! 」や「 SEVENTEEN 」のような対象年齢が中学生から高校生の雑誌は「自分自身を持つことで自分を磨くことが出来る。それが後に外見に影響する」と言う。村上さんのように自分がこれは流行ると思った物や自分なりのオシャレこそが自分自身を成長させ、変えるというのが今のオシャレの楽しみ方なのだろう。