記者:三崎令雄(16)
そもそも「オタク」とは何なのだろうか? 秋葉原に通い、メイドのコスプレなどをした女性に萌えている人のことを言うのか? それとも大人になっても、コミックやアニメに夢中になっている人のこというのか? しかし、「○○オタク」と言えば「○○に関連したことに夢中になっている人」という意味にもなり、意味は無数にあるようにも思える。自称「オタク」で「オタク」研究家でもある、大阪芸術大学の客員教授、岡田斗司夫氏も「オタクを定義するのは難しく、オタクの業界でも揺れ動いている」と言う。
しかし、定義が定まっていない「オタク」に対して世間のイメージはマイナス寄りな感じがする。実際に自分も今まで「オタク」にあまり良いイメージを持ったことがなかった。時には軽蔑さえも混じる「オタク」を私たちはどのように捉えているのだろうか。そしてオタクと言われ、冷たい目で見られた人はどう感じたのだろうか。
秋葉原で「オタク」と思われる人に話を聞いた。しかしその回答に、あまり共通した部分は見受けられなかった。まず、自分が「オタク」と思っている人もいればそれを否定する人もいる。また、自分を「オタク」と認めた上で「オタク」がポジティブなワードだと言う人もいれば、ネガティブなワードだと言う人もいた。「新たな差別用語」と言う人さえいた。一般の方の中には「オタク」がポジティブなワードだと答えた人もいた。
「オタク」というワードに対して感じることは人によって様々だ。また人によって「オタク」の基準は違う。それなのに他人のものさしで「オタク」と決めつけられたのなら、たまったものではない。もっと「オタク」というワードを使うときには両者の間で「オタク」に対するそれぞれの価値観を認識しあうことから始めなければいけないと思う。
秋葉原にいた外国人たちにはまだ、「オタク」が認知されていなかった。今後、「オタク」が海外進出を果たした場合、各国の人々は日本発の「オタク」をどう捉えるのだろうか。