飯沼茉莉子(13)
今回私たちがコペンハーゲンの街中を歩いていて感じたのが、驚くほど自転車に乗っている人が多いのに、日本のように自転車に気を使いながら歩くということが全くなかったことだ。ほとんどの道路では自転車専用のレーンが整備され、たくさんの人が通勤などに使っていた。なぜここまで自転車が普及したのだろうか。
市庁舎前広場で開催されていた、サイドイベントに参加していたブースの一つで、「Track」というバイクショップの店員Tau Kallehaveさんに理由を聞いてみた。「コペンハーゲンは平地で山と呼べるような地域がないので、自転車が走りやすい環境が整っているからだ」と教えてくれた。
日本とは違って自転車の形がとてもユニークだ。歩いていて一番多く見かけたのが、自転車の前に2人の子どもが乗れるほどのかごがついているものだ。他には、自転車の後ろに大きな荷物が乗せられるような台のついたものもあった。どの人も、自動車の代わりに、日常的に自転車を利用していた。
途上国のように自動車が購入できないから自転車を利用しているのではなく、環境のことを考えて利用している人が多いのである。そして、デンマークという国が恵まれた土地であり、国が自転車レーンの整備をどんどん進めていくため、利便性からも自転車の普及率は高くなっている。
日本は国土が狭く、山や坂道が多いのでデンマークのように自転車が普及することは難しい。しかし、性能のよい電動アシスト付きの自転車が手ごろな価格で購入することができるようになれば、もっと多くの人が通勤にも自転車を使えるようになるかもしれない。
自動車から自転車に変える人がもっと増えれば、自動車のレーンを減らして自転車用に代えるなど様々な方法があるのではないか。
日本もまだまだ工夫次第で、CO2を削減することが出来るという希望が持てた。諦めずに、他の国や出来事に関心を持ち続ければ、必ず道が開けると思う。