異世界転生ブームやショート動画、そして「余白」のこと

参加者:池田真彩(17)、邊愛(17)、林遼太朗(17)/Lyra(18)(ゲスト)/福田和偉 (18)、米山菜子(OB)/川水美穂子(YEJ顧問)

Z世代がスマートフォンやデジタルコンテンツと共に育ったことは、現実逃避のあり方にも変化をもたらしたのではないでしょうか。学校生活や受験のプレッシャー、将来への不安から一時的に目を背けたい時、SNSやショート動画のような手軽な手段に逃避しがちです。今回の座談会では、高校生たちが「現実逃避」をテーマにそれぞれの現実と向き合い方について語り合いました。

*本記事は一部AIを使ってまとめられました。

自己紹介

[顧問] 私は本日はファシリテータである真彩さんのアシスタントの役割をさせていただきます。さて、自己紹介を兼ねて、私が最近気になっていることなんですが、話題のドラマ『SHOGUN』を見て面白かったので、それに関連する歴史ものの本です。

[真彩] 私は東京に住んでいる高校二年生で、17歳です。ユースエクスプレス・ジャパンに参加したのは  高校一年生からです。最近気になっているというか、ハマっているのは、「=LOVE(イコールラブ)」という女性アイドルグループです。彼女たちの曲「絶対アイドル辞めないで」を聴くのにハマってます。

[和偉] 僕は今高校三年生の18歳で、ついこの間までユースエクスプレス・ジャパンで記者をしていて卒業しました。僕は埼玉に住んでます。夢中になっていることなんですが今受験生なので、なかなか自分の趣味にあてられる時間は少ないんですけれども…。僕は、本読むこと、読書が結構好きで、受験勉強の合間とかに小説を読むのが好きです。で、僕の好きな小説家は辻村深月さんという方なんですけれど、まあその方の本を読んだりとか。最近映画もやってたので、それも観に行きました。一応、その勉強もやりつつ、なんとか空き時間を見つけては趣味に当てつつ、っていう感じで過ごしてます。今日はよろしくお願いします。 

[遼太朗] 高校二年生の遼太朗です。ユースエクスプレス・ジャパンに最近入ったばかりで、17歳、東京都に住んでいます。夢中というか興味を持っていることなんですが、もともと僕は記者志望なんですけど、記者とかジャーナリストとか、伝える仕事にすごく興味があります。あと、スポーツが好きで、野球とかサッカーみたいなメジャースポーツ、特にプロスポーツが好きです。そういうのもあって、将来スポーツのことを伝えるような仕事に就くのも夢の一つになっています。

[Lyra] はい、Lyraと言います。一年前くらいからちょこちょこYEJに関わらせてもらっていている人間です。今は教育ライターという仕事をしながら、いろんな高校の「総合的な探求」の時間をサポートしています。高校時代に新聞部でウェブメディアを書いていて、それがきっかけで今フリーでライターをやっています。最近ハマってることは、音楽にどっぷりハマる没入感が好きで、イヤホンにこだわりがあります。最近は「Sennheiser(ゼンハイザー)」というドイツメーカーの新しいハイエンドの4、5万円するイヤホン、それがすごく欲しくて頑張って仕事をしています。よろしくお願いします。 

スマホは現実逃避しやすいツール?

[真彩] 私が議題にしたいと思ったテーマは、若者の現実逃避についてです。このテーマを選んだ理由なんですが、私自身よくアニメを見るんですけど、ネットフリックスで一日のランキングをチェックすると、異世界転生系のアニメが1位に入っていることが多くて。それを見て、現実逃避に走っている人が増えているかもしれないと思い、この話題を選んでみました。

では、ここから一つ目の質問を皆さんに伺っていきたいと思います。スマホをはじめとするデジタル機器の長時間利用が増えていることから、現実逃避に走るハードルって下がっているのかなと感じています。また異世界転生系のアニメがよく見られていることからも現実逃避って身近なんだろうなと。皆さんは、スマホやデジタル機器の影響で現実逃避がしやすくなっていると感じることはありますか?

[和偉] そうですね。うーん、なんだろう、現実逃避というと僕の中の定義では、現実逃避したくなる時って、例えば課題に追われている時とかがそれになりますかね。そういう時、最適な選択肢のように感じることもあるかなって思います。で、スマホって意外とどこでも使えるし、身近にあるから、つい手に取っちゃう。今、TikTokとかも主流になってますし、片手で簡単に面白いコンテンツが見られるので、スマホに触ること自体が現実逃避の原因の一つになっているのかなと思います。

[真彩] 確かに。林さんはどう思いますか?

[遼太朗] スマホって、やっぱりどこでも使えて、いつでもいじれるっていうのがすごくて。僕たちにとって誘惑がちょっと強すぎるのかなって思います。だから、現実逃避で使いやすいものになっているのかなと。僕たち高校生の意見としては、現実逃避したくなる時といえば、さっきも話に出ていたように、課題に追われている時や試験勉強の時ですね。学生にとって、そういう辛いことがあると、ついスマホに逃げたくなるものかなと思います。現実から逃げるためのツールとしてスマホがあるって感じになっちゃってる気がします。

[真彩] あの、和偉さんに質問なんですけど、先ほど読書が趣味と言ってましたが、スマホと読書することって、現実逃避へのハードルが違うような…。娯楽として楽しむハードルって違いませんか。

[和偉] そうですね。読書って、僕の場合はただ淡々と読むだけじゃなくて、行間から感じる背景とか、情景を自分で描いたりしながら読むことが多いです。だから、疲れている時だと、なかなか頭に入ってこないこともある。でも、スマホだと、さっき言ったTikTokとかYouTubeみたいに流し見ができるので、疲れててもただ見てるだけで面白さを感じられるんですよね。だから、スマホのほうが娯楽として始めるハードルは低いし、今は漫画もスマホで読めちゃうじゃないですか。そういう意味で、スマホのほうが手軽で、現実逃避もしやすいのかなと思います。

どんな時に現実逃避したくなる?

[真彩] ありがとうございます。次の質問なんですが、異世界転生系のアニメって、主人公が完璧なキャラクターであることが多いんです。そういう完璧なキャラクターを見ることで現状から目を背けやすくなることが、このジャンルの人気の理由なのかなと考えました。少しさっきの質問と似た感じになりますが、皆さんはどんな時に現実逃避をしたくなりますか?また、どんな現実逃避の方法で不安を紛らわせていますか?

[遼太朗] 僕はあまり異世界転生系のアニメは見ないんですが、完璧なキャラクターとか、周りにはいないような理想のキャラクターが登場すると、つい見てしまうのはわかります。ある意味で現実から目を背けるためのコンテンツなのかな、と感じます。

それと、どんな時に現実逃避したくなるかですが、僕は中学の時、あまり調子が良くなくて、学校に行くのが嫌になっていた時期があったんです。その時は、現実逃避して家に引きこもり、不登校になり、スマホやゲームに没頭していました。そういう自分の経験から考えると、やっぱりスマホとかゲームって、現実逃避の手段として手軽に使いやすいんですよね。不登校の時はそれしかできなくて、どうしてもそういうツールに頼らざるを得なかったんだと思います。

[真彩] 和偉さんは? 

[和偉] そうですね。まず「どういう時に現実逃避したくなるか」という話ですが…まさに今受験生で、受験って、プレッシャーがかかるものですよね。僕はあまりプレッシャーを感じない方なんですけど、周りを見てるとすごく大変そうな子もいて…。やる気が出ない時とか、スマホを見てる子が結構います。「やる気出ない」からって、ついスマホを見ちゃってる。学生はこういう現実逃避の場面が多いのかなと思います。

僕も異世界転生系のアニメはあまり見なくて(笑)。でも異世界系に限らず、いろんなアニメで完璧な主人公とか、逆境を打ち破るキャラが出てくることが多いじゃないですか。そういうキャラに自分を重ねて見ることで、ある種の現実逃避をしている人はいるかもしれない。

[真彩] スマホを使って現実逃避することで、一時的にはストレスが解消されたり、不安が紛れたりするかもしれません。でも、それが問題の根本的な解決にプラスに働くことはあると思いますか?逆に、スマホをいじることで、より現実から離れてしまうこともあると思います。スマホでの現実逃避が良い方向に働くことがあるのか、それとも逆効果になるのか、お聞きしたいです。

[遼太朗] もう一回質問内容いいですか? 

[真彩] えっと、質問としては、現実逃避をすることで一時的にはストレスが解消されたり、不安が紛れると思いますが、その行為が問題の根本的な解決にプラスに作用することがあるか、逆に現実からさらに遠ざかってしまうか、ということです。スマホを使うことでどちらの効果が強いと感じますか?

[遼太朗] そうですね。僕の経験を考えると、やっぱり後者の方、つまり根本的な解決にはつながらないことが多いかなと思います。理由としては、スマホやゲームといった娯楽に現実逃避すると、確かに一時的な楽しさや幸福感は得られるんですけど、長期的に見ると勉強も進まないし、自分の将来についても全然考えなくなってしまう。目先の楽しさに没頭してしまうことで、かえって現実から目を背けることになっている気がして、根本的な解決にはつながらないのかなと感じています。

[真彩] ありがとうございます。和偉さんはどう思いますか?

[和偉] そうですね、現実逃避しちゃうのは、ある意味しょうがない部分もあると思います。僕の考えでは、それをどう捉えるかが大事かなと。たとえば、スマホを触ったりゲームに走ったりすることがあったとしても、それは自分の性格なんだと受け入れて、その上で課題をなんとか間に合わせようとする、とかですね。ギリギリまで頑張れないなら、それも自分の一部として受け入れて、じゃあギリギリで間に合わせるようにするとか、間に合わないならその状況に対応する、というように前向きに考えればいいんじゃないかなと。かなり楽観的な考え方かもしれませんけど。

[真彩] 例えば私なら、現在進行形で小論文の締め切りが今日の12時なのに、この1週間あったのに今まで逃げ続けて…現実逃避してました。今になって焦ってる感じです(笑)。私みたいな人が自分の現実と向き合うためには、どんな働きかけをしたらいいと思いますか?皆さんはどうしてるのかなっていうのを聞きたいです。

[遼太朗] はい、僕も試験勉強や小論文の締め切りが迫ると、どうしてもスマホが気になって大変です。なので、あえてスマホを自分の近くに置かないようにしたり。それでも気になるときは、スクリーンタイムを制限できるアプリを親に頼んで設定してもらったり。こうして強制的にスマホの誘惑を断ち切って、目の前の課題や試験に集中できる環境を整えることで、何とか乗り越えてます。

[真彩] 課題の期限とか、早めに終わらせるタイプかギリギリなタイプか聞いても? 

[遼太朗] 僕はもう本当にギリギリのタイプですね。 

[真彩] 結局終わらせるか、間に合わないかとか。 

[遼太朗] なんだかんだ終わらせるようにはしてます。できるだけ早く、スクリーンタイムとかのアプリで制限をかけて…集中できる時間の確保というか。お互い頑張っていきましょう。 

[和偉] 僕はまず自分を受け入れることがすごく大切だと思っています。自分を否定しちゃいけないということがまず一つです。それから、具体的な対策も必要だと思うので、私がやっているのはスケジュールを立てることです。

[真彩] なるほど。

[和偉] 課題に充てる時間をぎゅうぎゅうに詰め込むと、結局終わらなくなっちゃうので、余裕を持ったスケジュールを作ることが重要じゃないかと思います。仮にスマホを触ったりアニメを見たりしても、間に合うように計画を立てることが大事ですね。

[真彩] 計画性のあるタイプですか?

[和偉] 意外とコツコツやる方なんですけど、間に合わないときは本当に間に合わないこともあります。でも、ギリギリになってしまう場合でも、あらかじめ先生に「ちょっと終わらなさそうです」と声をかけておくと、状況を変えられるかな。そういう小さな工夫が役立つこともありますね。

「このお手軽感、簡単にコンテンツが手に入る感じ」

[顧問] 真彩さんが事前に用意していた質問について戻ると、異世界系のアニメがネットフリックスでランキングに入っているという話と、スマホの手軽さ、つい見てしまうという二つについて考えたいと思います。

つまり、スマホという機械が原因で現実から逃げてしまうのか、それともスマホやパソコンで見ることのできるコンテンツが非常に魅力的であるからなのか、どちらがより強い理由になっているのかを聞きたいです。ライターをしているLyraさんの視点だとどうですか?

[Lyra] 結局、どちらも関連していると感じますが、スマホの手軽さがあってこそ、魅力的なコンテンツにアクセスしやすくなるのではないでしょうか。そのため、私は「スマホが手軽に扱いやすい、が強い理由で、その上にコンテンツの魅力がある」と考えています。つまり、よく考えるとどっちもなんだけど、スマホっていうのが、そもそも人を夢中にさせる仕組みになってる。コンテンツ自体は最近だとYoutubeショートだったり、tiiktokだったり。30秒とか1分でパッと見れるものがもう大量にある、みたいな状態。このお手軽感、簡単にコンテンツが手に入る感じがもうスマホを見る意欲を増幅させているのかなと感じます。

[顧問] なるほど、鋭い意見です。遼太朗さんはどう思います?

[遼太朗] そうですね。やっぱり身近に誘惑を置かないことは非常に大事だと改めて思いました。スマホの誘惑については、今でも悩むことが多いです。「スマホで手軽に現実逃避できる」というのに向き合うことって、特にこれから大学受験が近づいてくるのでうまく対処していかなければならない問題です。

人それぞれの現実

[顧問] 日常でやらなければいけないことを後回しにしてしまう問題は、若者だけでなく大人にも当てはまると思います。現実逃避したいってことは、逃げたい現実がある、と考えていいのかな。皆さんの話を聞いていると、逃げたい現実は試験勉強や課題など学校に関することが多いと感じました。しかし、例えば今でも戦争をしている国があったり、虐待にあっている人々、ひどい犯罪の被害者になってしまうような現実が存在します。人や場所によって現実は様々です。そういった多様な現実について考えたことってありますか?今回のテーマを考える中で、皆さんの現実を教えてください。

[真彩] 私にとっての現実は、学生の身であるため、やはり勉強が第一に来ます。その悩みや、それぞれが頑張っていることが私の関心の中心です。私自身は部活をやっていないのですが、部活をしている子は、部活の悩みがあれば、そこから逃避したいってことがあると思います。他にも悩むことはあるんですけど、大学受験から逃げて勉強しない自分が現実です。

[和偉] 普段、あまり「現実逃避」という言葉を使わないので、今回の座談会で初めて使ったような感じです。しかし、よく考えてみると、現実というのは人それぞれ違うし、状況が変わればまた異なってくると思います。例えば、僕の場合、転校した経験がありますが、その前の学校で感じていた現実から逃げるために転校したことが現実逃避とも言えます。また、今通学している学校では家庭環境が良くなかったりする子もいて、そういう子たちは、良くない家庭から逃れるために学校に来て友達と話すことが、ある種の現実逃避の形だと思います。このように、人それぞれによって状況は異なってて、各自が今向き合っていることがその人にとっての現実です。そして、そこから逃げたいと思った瞬間が現実逃避と表現できるのかなと思いました。

[顧問] なるほどね。今の和偉さんの話から「転校する」、「家から出てお友達と話す」っていうことも現実逃避の一部かもしれないということですね。人には嫌な場所と良い場所があって、自分であえて選んで良い場所にいくっていう行動を起こすことで嫌な現実を乗り越える一つの方法だと。

[和偉] だから、一概に現実逃避が悪い、とは多分言えないなと思います。 

[顧問] 先ほど、学校に行けない時期に、スマホやYoutubeを長時間見てた、という話がありましたね。多分その時の自分には必要だったかもしれないとも言える。 

[遼太朗] そうですね。その時はとにかく、家にいると考える時間が生まれますよね。それによって将来に対する漠然とした不安がものすごく増えてしまって、その不安を考えていると本当にどうしようもなくなってしまいます。だから、考えないように、全然関係のないことをスマホで見たり、娯楽として楽しんだりしていたかもしれません。

[顧問] なるほど。その時にスマホがなかったら、もっと辛かったかもしれませんね。

[遼太朗] そうですね。確かにそれはあると思います。

[顧問] スマホについて、皆さんが「勉強の邪魔になるから止めなきゃ」と思っている一方、これが必要な時もあるという意見がでました。ネガティブに捉えられがちな現実逃避も、さまざまな現実と向き合って乗り越える手段にもなり得るということですね。最終的に、現実と向き合う方法を探ることについて、真彩さんはどう思いますか?

[真彩] 私も勉強以外の面で、自分がどんな現実逃避をしているのか考えてみました。例えば、教室でご飯を食べている時、例えばある友達と話したくないな、と思う時は「早く委員会が始まらないかな」と考えてしまいます。これもある意味現実逃避だなって。現実逃避は、ストレスをうまく発散するための息抜きとも言えると思います。自分を守るための一つの技術のようなものかなと思います。

[顧問] 確かにね。この人嫌だ、これが嫌だ、ばかり思ってるとちょっと病気になっちゃうこともあるから、一つの現実にこだわりすぎないっていうのも大事な気がしますね。「今のこの現実、辛くて困ったな」みたいなことがあった時、Lyraさんはどうしていますか? 

[Lyra] 仕事に置き換えて言うと、例えば「この現場しんどいなー」って思う時があるんですよ。上手く表現できてないかもしれませんが、こういう時は環境を変えることはします。あらかじめ「環境を変えられる余地を作る」っていうことも結構大事なことかなと思っていて。例えば、仕事を受ける時に「長期契約・半年の契約」にしないで「一回一回の都度契約」にするとか。自分で環境を変えられる余地を作るっていうことで、その目の前にある現実が辛かった時に変えやすくなる。現実から逃げられる余白を作ることはやってるかもしれない。 

[顧問] 実社会の知恵みたいな感じ。 

[Lyra] あはははは(笑)。 

[顧問] すごいな。勉強になりますね。「短い契約にしておく」って話、将来みんなの役に立つかもね。遼太朗さんは、人や場所が嫌だなと思った場合はどう対処してますか?

[遼太朗] まあ、そういう時はちょっと距離を置いてみますかね。相手が反省してくれたり、こっちにも問題があったりした場合、話し合いで解決するって方法をとったことはあります。 

気づき・感想

[顧問] なるほど。物理的または気持ちの上で距離を置いたり、みんな似たような経験ありますね。今回真彩さんが提出してくれたテーマは、今の中高生はショート動画など、スマホで手軽に楽しめるコンテンツがあり、簡単に現実逃避ができるようになった、ということでした。ですが、現実は人それぞれ異なり、勉強だけでなく、学校や友達関係、仕事のことなど色々ありますね。最後に、この短い座談会の中で、気づきや感想があれば教えてください。

[真彩] 和偉さんが「現実逃避という言葉を使ったことがなかった」と言ったのが印象的でした。現実逃避というのは、自分の捉え方次第で、単なる「逃げ」もあれば、必要な「逃げ」もある。自分をポジティブに保つために、現実に向き合うための方法として捉えることが大切だと感じました。

[和偉] 僕自身が今まで現実逃避について深く考えたことがなかったので、他の人の話が面白かったです。また、異世界転生が人気なのは現実逃避したい人が増えているのではないか、と真彩さんが言及したのが新鮮で面白い意見でした。

[顧問] 真彩さんはアイドルや非現実的な世界に興味を持っているからこそ、他の人にはその視点がユニークになるのでしょうね。Lyraさんは?

[Lyra] 座談会には何回か参加していますが、皆さんの話を聞いて気づいたことは、現実を前にして私たちが「現実逃避」という言葉を使うこと自体が面白いということです。それが新たな発見でした。

[顧問] なるほど。確かにそうですね。Lyraさんが「逃避できる現実にいるから、現実逃避が楽しめる」というチャットのコメントが面白いです。じゃあ、逃避できない現実にいる人はどうするんだろう、と考えると、ちょっと怖いと思いませんか。これはまた別の機会に。

[遼太朗] 僕はLyraさんの意見にすごく共感しました。自分も学校に行けなかった時期があったので「現実逃避できるのは、前提として逃避の余地があるからでは」っていう考えにすごく共感を持てました。あの時期を振り返って、ポジティブに捉えられるようになりました。現実逃避の余地があるから少し休むこともできるし、その後また本格的に何かに取り組むこともできるんだということです。これまで現実逃避ってあまりポジティブなイメージがなかったんですが、真彩さんと同じく、ポジティブに捉えていきたいと思いました。

以上


座談会後記: 今回の座談会では、私の出したテーマである「若者の現実逃避」について扱っていただきました。このテーマは、日頃自分が悩んでいたことでもあったので、みなさんと話し合うことが、自分と向き合うきっかけにもなりました。「現実逃避」という言葉は悪い意味として今まで捉えていたのですが、今回の座談会を通してポジティブに捉えることができるようになりました。また、初めてファシリテーターを任せていただいて、少し緊張しましたが、とても良い経験となりました。最後には記者OBの米山さんよりアドバイスもいただけたので、今後この経験を活かしていきたいと思いました。(池田真彩)