映画「ハリー・ポッター」の制作の裏側が体験できる「スタジオツアー東京」の魅力

記者: Haruka Inami (11歳)

映画『ハリー・ポッター』の世界に、足を踏み入れることができたら──。そんなファンの夢を叶える場所が、2023年に東京・としまえん跡地に誕生した「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 ‐ メイキング・オブ・ハリー・ポッター」です。
映画のセットや小道具を近くで見られるだけでなく、実際に体験できる展示や、ここでしか手に入らない限定グッズも揃っていました。さらに、ローブを着て楽しむほかのお客さんを見たり、SNS映えするフォトスポットで撮影したりできるのも、スタジオツアー東京(以下、スタジオツアー)ならではの魅力のひとつです。ホグワーツ魔法魔術学校に入学する年齢と同じ11歳の記者である私が、このスタジオツアーを取材する機会をいただきました。ファンとして訪れた1回目と、記者としてじっくり見学した2回目の訪問を通して感じたスタジオツアーの魅力を、みなさんにお届けします。

ホグワーツ魔法魔術学校へハリー達を運ぶホグワーツ特急

ハリポタ好きの記者、魔法の世界へ

 皆さんは『ハリー・ポッター』の本や映画を見たことがありますか?世界中で有名な、あの魔法の世界を知らない人はほとんどいないでしょう。私が初めてハリー・ポッターを知ったのは幼稚園の年長の時でした。この時からハリー・ポッターの英語版を読み始め、どんどん物語にハマり、小学2年生で全巻を読み終えました。ハリー・ポッターの映画も全て観ましたが、映画には本だけでは伝わらない魅力的な映像がたくさん詰まっていました。大広間やロンの空飛ぶ車、様々な冒険をこの目で見ることができ、感激したことを覚えています。ハリー・ポッターの物語で特に好きなシーンは、最初に登場する組分け帽子が話すところです。「グリフィンドール!レイブンクロー!」と生徒たちを四つの寮に分けるシーンで、帽子が普通に話しているところが面白くて大好きです。映画を見る時は必ずこのシーンだけ3回は繰り返して見るほどお気に入りです。


 そんな私は今回、ワーナー ブラザース スタジオツアー東京に取材に行くことになりました。レイブンクローのローブを着て、まるでホグワーツの生徒になったかのような気分で魔法の世界を巡ることができ、心の底から感動しました。スタジオツアーについてさらに知りたい方は、ぜひ記事を続けて読んでみてください。

スタジオツアー東京ならではの展示

 ワーナー ブラザース スタジオツアー東京は2023年に東京の豊島園にオープンしました。取材させていただいたのは、このツアーの開業に深く関わったワーナー ブラザース スタジオジャパン合同会社のゼネラルマネージャーの山崎佐智子さんです。山崎さんはとても優しく、インタビューに緊張する私にも気さくに話しかけてくださいました。


ゼネラルマネージャーの山崎佐智子さん

取材はハリー・ポッターの物語にも登場する9と3/4番線ホームにあるベンチで行いました。写真撮影は主に大広間や9と3/4番線ホームの駅にあるホグワーツ特急など、館内の写真映えするスポットで行いました。
 インタビューの前に施設全体を見学しましたが、私がこれまで二度訪れたことのあるユニバーサル・スタジオ・ジャパン等のハリー・ポッターコーナーやスタジオとはまた違う、スタジオツアー東京ならではのオリジナル展示が数多くありました。例えば、USJのハリー・ポッターエリアとの最大の違いは、USJが「展示」というよりも「アトラクション」を重視した施設となっていて、スタジオツアーは「映画制作の裏側展示」に集中しているところです。また、ロンドンにもハリー・ポッターのスタジオツアーがありますが、私はまだ訪れたことがないため、山崎さんに違いを聞いてみました。東京の特徴的な展示として「動く階段」があり、これはロンドンの施設では動かないそうです。さらに、東京では自分の写真を肖像画風に変換できるインタラクティブな演出や、『ファンタスティック・ビースト』シリーズの展示が追加されているなど、ロンドンにはない、オリジナル要素が充実しています。ハリー・ポッターファンの方は、ぜひスタジオツアー東京を訪れてみてください。さらにハリー・ポッターの魅力的な世界を深く感じられると思います。

スタジオツアーの人気スポット

 山崎さんとの取材では、まずスタジオツアー東京で特に人気のある展示や、ファンがSNSに投稿する写真、販売されているオリジナル商品について話を伺いました。
 東京のスタジオツアーでは、体験型の展示が特に人気を集めています。魔法のほうき体験やクィディッチ体験など、来場者がハリー・ポッターの世界を体験できるコーナーが充実しています。山崎さんによると、これらの体験型展示は「写真映え」するポイントが多く、実際に体験している姿を写真や動画に撮影し、SNSに投稿する来場者が多いそうです。この「写真映え」が人気の一つの理由だと語ってくれました。

”ダイアゴン横丁”を通り抜けできます

 例えば、ほうきエクスペリエンスでは、ほうきに乗った姿を撮影し、合成によって街中を飛んでいるような動画を作成できる仕組みがあります。また、動く階段のセットやクィディッチのエクスペリエンスも人気が高く、自分の姿がポートレートとして加工され、データでダウンロードできるサービスも用意されています。こうした「思い出として手元に残せる工夫」が、スタジオツアー東京の魅力の一つとなっているそうです。

 スタジオツアー東京には、グッズや展示、写真映えするフォトスポットが豊富に揃っています。SNS上でも、ツアー内で撮影した写真を投稿するファンをよく見かけることでしょう。実際に、山崎さんに印象的だった投稿について尋ねると、特定の写真というよりも、訪れるファンの行動そのものに驚いたそうです。

 「東京では、皆さんが本格的にコスプレをして来園する方が多くて驚いています。ロンドンの施設では、それほどコスプレをして訪れる人は多くないのですが、東京ではローブを着たり、衣装をしっかり整えたりして来られる方が多いんです」(山崎さん)

 さらに、東京のスタジオツアーでは、コスプレをした来場者が写真を撮り、それをSNSに投稿することで「ツアーに行くなら自分もローブを着よう」と、新たなファンが生まれるという好循環が生まれるそうです。山崎さんも「そんなトレンドとして、皆さんが楽しそうにしているのを見るのはとても嬉しい」と語っていました。

レイブンクローのローブを着て取材

2回目の訪問で見つけた新たな発見

 実は、スタジオツアー東京に来たのは二度目です。初めて訪れたのはオープン直後。ファンとして純粋に楽しむためにものすごく長い列に並び、ワクワクしながらどんな場所か楽しみにしていました。来場すると、映画の世界がそのまま再現されたセットや、小道具のリアルさに魅了されました。展示を一つ一つじっくりと見ながら、ゆっくりと時間をかけて回ったことを覚えています。
 二度目の訪問では、取材という視点で改めてスタジオツアーを巡りました。最初に感じたのは、やはり緊張です。前回は単純にファンとして楽しみましたが、取材として訪れた時は、1回目ほど気楽には見て回ることができませんでした。緊張しながらも、久しぶりの訪問だったため、展示に魅了されながら館内を歩きました。特に印象に残ったのは「動く階段」の展示でした。前回訪れた際は、単に映画の世界が再現されていることにファンとして興奮しましたが、今回はその仕組みに注目しました。東京のスタジオツアーでは、階段が実際に動くようになっており、映画の中の魔法が現実になったかのような感覚を味わうことができました。ロンドンのスタジオツアーにはないそうです。この東京ならではの演出には、改めて感動しました。また、「動く肖像画」や「ほうきエクスペリエンス」もおすすめです!ほうきは動きませんが、合成された動画はとてもリアルでSNSにアップすれば、友達にも驚かれること間違いなしです。

 さらに、取材を通して発見したのは、日本ならではのファンの楽しみ方でした。1回目でも感じましたし、山崎さんも語っていましたが、東京のスタジオでは、多くの来場者がローブを着て来園し、ホグワーツの生徒になりきっています。私もレイブンクローのローブを着て取材をしましたが、それだけで「ホグワーツに通う生徒」になったような気分になれました。せっかく訪れるなら、ぜひローブを着て、より魔法の世界を味わってもいいと思います。
 二度目の訪問でも、新しい発見がたくさんあったスタジオツアー東京でした。初めて訪れる方も、リピーターも、私のようなガチファンも、それぞれの視点で楽しめる仕掛けが満載です。ハリー・ポッターファンなら間違いなく「もう一度来たい!」と思う場所だと改めて実感しました。東京を訪れた際には、ぜひこの魔法の世界へ足を運んでみてください。

ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 – メイキング・オブ・ハリー・ポッター
〒179-0074 東京都練馬区春日町1丁目1−7


取材後記: スタジオツアー東京の取材では、新しい発見がたくさんありました。ロンドンのスタジオツアーにもいつか行ってみたいと思っていますが、スタジオツアーは何度でも訪れたい場所になりました。皆さんもぜひ、お気に入りの寮のローブを着て、魔法の世界を体験してみてください!

自己紹介: もしホグワーツに入るなら、レイブンクロー寮に入りたいです。理由は青が好きでルーナがいるからです。好きな魔法は「ウィンガーディアム・レヴィオーサ」(物体を浮遊させる呪文)です。