若者を刺激し、一体感を強めたアクション活動
藤原沙来(20)
COP15には、本会議に参加する各国の政治家とは別に数多くのNGOも参加し、ブース出展やセッションを行った。さらには、多くのアクションが企画され、世界中から集まった活動家や若者が、共に同じアクションを行うことで各国政府にアピールしたり、本会議のより良い進行を促したりしていた。
たとえば、気候変動に向き合おうと呼び掛けるプラカードと共に会場の入り口に黙って立ったり寝たりし、危機感を表わすサイレントアクション。パジャマ姿で寝ているところから起きるという行動を見せて、各国の首脳、リーダーも目を覚ましてほしいという意思を表すアクション。本会議が思うように進まず各国の意見が分かれ始めると、各国首脳の顔写真をお面にし“Climate shame”と書かれた横断幕を掲げるアクション。皆でキャンドルによる文字を作るアクション。
こういったアクションに参加しているのは主に若者だ。私も若者が主体となって行われていたアクションに参加し、そこで出会った若者に、なぜアクションに参加しているのか聞いてみた。
「気候変動の解決策に楽しく向き合う方法の一つだし、若者が一体となって危機感を表すのには良い方法だと思うから」とオーストラリアから来たLinhは話す。ドイツから来たFrankaは「これだけ多くの若者が一つになって気候変動に向き合う機会はそう多くない。本会議に参加している政治家にも良いアピールになっているはず」と話した。さらに彼女は、「私たちが若者として伝えなくてはいけないことは、少しずつ解決していこうということではなく、今解決するために今すぐ行動を起こさなくてはいけないということ。政治家は次のCOP16があるという前提で話をしているようだが、将来に持ち越すのはおかしい」と話し、合意に至らなかった政治家の姿勢に対しても苦言を呈した。
また、あるNGOスタッフは、アクションについて「自分たちに大きく関わる気候変動問題を主体的に考えて行動することが大事」と言っていた。自分たちの将来をより真剣に考えるために、多くの若者が一体となってアクションに取り組むというのは、政治家だけではなく、参加している若者自身にも良い刺激を与えてくれるものなのかもしれない。
アクション活動は、様々なNGOがCOP開催時に限らず常に行っているので、それに参加することができるほか、自分で考えて行うこともできる。しかし、現実を見てみると、多くの若者はまだまだ気候変動について知らない。まずは気候変動とは何なのかを共有していくアクションを行うことが必要であろう。