オシャレなカラーコンタクトに潜む危険
2013/09/15               村上 類(14)

最近よく街で日本人らしくない目の色をした若者を見かける。それはカラーコンタクトレンズをつけているからだ。色はさまざまでナチュラルな茶色から派手なピンクや紫など幅広い。しかし危険が伴うことはネットが情報源の主流になった今、よく知られた話だ。ではなぜそこまでして若者はカラーコンタクトを使用するのだろうか。

若者にカラーコンタクトの危険性を伝えるために、日本コンタクトレンズ学会常任理事を務めている眼科医の糸井素純氏を取材した。

そもそもカラーコンタクトは両目で色が違っていてそれに対してコンプレックスを感じる外国人や、先天性白皮症で体の色素が薄い人などが通常の見た目に近づけるために作られたものでオシャレのために作られたものではないと糸井医師は話す。しかしカラーコンタクト使用者は増える一方で、しかも正しい使い方をしない人が多く一週間に2人位は病院を訪れるそうだ。

なぜカラーコンタクトによる眼障害を訴える人がいるのか。それは3つ理由がある。一つは購入者が正しいカラーコンタクトの使い方をしていないからだ。通常コンタクトレンズの洗浄は指でこすり洗いをしっかりとしなければならない。しかし、眼科医の処方を受けていないので、ケアの指導を受けておらず、適当に洗っている人が多く、目に傷つけている。二つ目は利用者が自分にあったカラーコンタクトを使用していないからだ。人により眼球の形も違うことを知らずに見た目で選んでしまう若者が多く、それに加えてマスカラなどを目の近くに塗るため、目が乾き、酸素の供給もうまくいかなくなり目が充血する。最悪失明の患者がでるのだ。三つ目はカラーコンタクトの製造会社が、必ずしも品質の安定した製品を作っていないからだ。添付文書に詳しいケアの方法を書いていない場合も多く、インターネットや雑貨店でレンズを購入し、誤った使い方をしてしまう。またサンドイッチ構造と言って色素をレンズの透明な部分で挟んでいる製品が安全と言われているが、特許や製造技術の問題で、実際には色素の一部が露出している製品も多い。

サンドイッチ型として販売されているにもかかわらず、一部、色素が露出している。だから利用者が正しい洗い方をしていても色素が取れてしまい、色は薄くなったり、目に害を与える可能性も高くなる。

それでもなぜ若者はカラーコンタクトを使用するのか。生の声を聞くために渋谷のセンター街で街頭取材をした。

使用者は14歳からとかなり若い年齢の人もいて、目が大きく見えるからかわいいとか顔映えがよくなる、違う自分になれるとやはりオシャレで使用している人が多かった。そしてその大半がカラーコンタクトの危険性は知っているが、まだ自分にはトラブルにあったことはないからこれからも使いたいという意見が多かった。

その一方でかわいいと思わない、違和感がある、危険だかれ使いたくないという意見も多く、特に男性でカラーコンタクト未使用者は女性使用者に対してカラーコンタクトなしの方がいいと思う、興味がないとの意見もあった。

若者のなかにはカラーコンタクトに潜む危険を理解している人もいる。しかしトラブルを経験するまで危険性を知っていても使用を続ける人は多い。安易なオシャレを優先して不正確な使用の仕方を続ける若者に危険性を真剣に伝え広めていくことが必要だろう。