HARUKA INAMI (10)
やっと待ちに待った、東京で行われるフェイサマースクールにたどり着いた。フェイサマースクールは遊びが中心のサマースクールではなく、英語で授業を行う、ということになっている。それにしても、夏の暑さは厳しすぎた。宿から15分ぐらいしかないのに、学校に着いた頃にはもう汗でへろへろだった。
フェイサマースクールは、米国・マサチューセッツ州の伝統あるボーディングスクールが開催する1 週間の体験プログラムだ。対象は10歳から14歳の日本の子どもたちで、2023年7月下旬、東京の早稲田で開催された。クリティカルシンキングやグローバルマインドを含め、日本にはないカリキュラムを英語で学んだ。
サマースクールの建物は、イメージしていたものとだいぶ違った。施設は普通の学校の教室だと思っていたが、建物は古いお屋敷に見える。レンガで建てられていて、小さな庭の中には人の銅像が建てられていた。この建物は、100年も前に作られたらしい。名前を「スコットホールギャラリー」といい、結構広かった。中に入ると、なんと古い教会があった。ステージにはピアノが置いてあり、その上にはイエスキリストの十字架が飾られていた。初めは、こんな古い建物でちゃんとした授業ができるのか、と少し心配になったが、フェイで過ごした1週間は予想以上にすばらしいものだった。
フェイサマースクールの参加者は東京の他、神奈川・山梨・京都・大阪・沖縄・シンガポールなど他の地域からも来ていた。初日に行ったライティングアセスメントテストにより、upper・middle・lowと3つのクラスに分けられた。upperは8人、middleは16人、lowは4人に分けられた。
ユニークな授業
はじめに、3人の先生から説明を聞いた。3人それぞれ違う授業を担当するという。1人目のPaul Abeln先生は、パブリックスピーキングを担当した。つまり、人前で話したり、演説やスピーチの書き方を習う授業だ。2人目はAlison Manion先生で、算数とアートと音楽を組み合わせた授業をしていた。どういう授業だろうとわくわくして、実際に体験したらすごかった。色々工夫もしてあり、フィボナッチ数列のことや、どう算数と音楽が繋がっているか、算数は言語なのか、などを習った。3人目はAdel Collins先生で科学のことを教えてくれた。テーマは「動物」、つまり動物の体の仕組み、そしてその役割を習った。
1日目は参加している子供達はかなり緊張していて、すごくぎこちなかった。だが、先生の冗談や優しさでだんだんと硬い空気が和らぎ、2日目以降は、自然にお互いと仲良く話すようになっていった。
先生へのインタビュー
今回は、その3人のうち2人、Alison Manion先生とAdel Collins先生にインタビューをした。2人にそれぞれ3つの質問をした。1つ目は「なぜ、日本でサマースクールをやりたいと思いましたか?」実際にアメリカにフェイスクールの本校があり、そこでも通常の授業やサマースクールをやっているが、なぜ日本でサマースクールをやりたかったのだろうと思っていたからだ。日本はアメリカからすごく遠い。そこまでして来る理由はあるのか、と思ったからだ。
2つ目の質問は「サマースクールで日本の子どもたちに何を期待していましたか?」。3つ目は「日本でサマースクールを実際行ってどうでしたか、子どもたちは期待に応えられたと思いますか?」と聞いた。2人とも、日本の文化や、日本がどんなところなのかを知りたくて来日したらしい。子どもたちには、自分たちの授業をちゃんと理解してくれることを期待していた。「実際にやってみて本当に良かったです」「生徒たちと一緒に喋ったり遊んだり、本当に楽しい1週間でした」と語っていた。
最後の日には、生徒それぞれが3つの授業で習ったことをポスターにまとめ、親に英語で説明した。あっという間だったが、東京で過ごしたフェイスクールの1週間は本当に楽しかった。
参考:フェイサマースクールについて/フェイスクール(Fay School)
英語https://www.faysummer.org/english-language-programs/fay-academic-camp-japan
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