公文の先生インタビュー

記者:ゆっち〜(10)

街でよく見かけるKUMON(公文式)の教室。日本を含む全世界で23,700教室、また指導者数は21,800人です(2023年3月現在、株式会社公文教育研究会HPより)。今回、インタビューに応じてくれたのは、大阪府大阪市で指導に当たっている山内祐未さん。オリジナルの指導メモを見せてくださった他、話はノーベル賞のことにまで及びました。

山内祐未さん
山内祐未さん
「工夫としては”極力教えない”」

記者:いつから教室を開いていますか。

山内さん:2017年8月からです。今月でちょうど7年目がスタートしました。

記者:なぜ、公文の教室を始めようと思ったのですか。

山内さん:公文式の指導者になる前は、高校の先生方と進路指導関連の仕事をしていました。先生方を通じて、生徒さんの進路指導をサポートしていました。この経験がきっかけで、公文式の指導者になりました。

記者:ふだん、苦労していることは何ですか。

あまり苦労はありませんが、あえて挙げるなら、生徒さんはひとりひとりが違う個性を持っています。ある子ではうまくいったことが、この子ではうまくいかない、とか、この子でうまくいかなかったことが、別の生徒さんではうまくいくということがあります。試行錯誤をしながら、生徒さんそれぞれを良くしてあげたいと思っています。生徒さんの頭の中がわかる能力が、私にあればいいなと、いつも思います。

記者:教室をやっていて良かったことはありますか。

山内:去年、小学校5年生の女の子が「算数が苦手、嫌い」ということで、保護者に連れてこられました。その生徒さんが1年経った今、「先生!私、算数が得意になったかも!」と突然教えてくれました。この言葉を聞いたときは、すごく嬉しかったです。

記者:それは嬉しいですね。子供たちが楽しく学習を続けられるように、どのような工夫をしていますか。

山内さん:本来、学ぶことは楽しいことだと私は思っています。しかし、余計なことを教えられたり、自分で気づくタイミングを他の人に奪われることがあると、学ぶことがつまらなくなるかもしれません。私の工夫は「極力教えない」ことですが、生徒さんがわからないままの状態で家に帰らないように心がけています。また、新しいことにチャレンジする機会を増やすようにしています。

記者:最近、心がけていることは何ですか。

山内さん:「教室は練習、おうちが本番」という考えを心がけています。また、この写真にあるメモは、私が普段工夫をしていることをまとめたものです。自分の気づきを二週間に一度書き直すようにしています。

気づいたことをメモにして、何度も読み返すという。

記者:今までで一番嬉しいと思ったことはなんですか。

山内さん:日々、嬉しいことがたくさんあります。やはり生徒さんが「難しくてできなかったことができるようになった」と喜んでくれることがその一つです。

記者:今までで、一番びっくりしたことはなんですか。

山内さん:低学年の生徒さんの話です。3日で100枚プリントをこなしてきた人がいました。大人が無理だよ、なんて勝手に思っちゃいけないですね。

記者:今後の目標はなんですか。

山内さん:この教室から、ノーベル賞を受賞する人が出てくるために頑張りたい。ここで学んだことで、生徒たちが学ぶことが楽しいと思い、自分の好きなことを見つけてくれたら、私自身が世界に貢献できたかなと思えるんじゃないかな。新しいことを見つける勇気や力をこの教室で見つけてもらえたらいいなと思います。

山内祐未さん
ここで学んだことで、学ぶことが楽しいと思ってくれて、自分の好きなことを見つけてくれたら、私自身が世界に貢献できたたかなと、思えるんじゃないかな