記者OBの須藤亜佑美さんにインタビューを行いました。聞き手は大門小百合(理事長)です。

初めてのオンラインインタビューに参加した記者。それぞれが印象に残った言葉を選び、まとめました。


取材活動という貴重な体験

萌々花(20)

記者になったきっかけ、参加して良かったことは何ですか?

須藤:学校の職員室の近くに記者募集のポスターが貼ってました。元々、ジャーナリズムにも興味があったので、すぐに連絡をしました。記者になって良かったことは、自分の興味があるテーマを掘り下げられたことだと思います。それを大人にサポートしてもらったことも良かったことです。また、興味があるテーマについて、より深く掘り下げることができました。

どのように取材テーマを決めましたか?また、どのような苦労や課題がありましたか?

須藤:新聞やニュースを見たときに、気になるテーマがありすぎて、どれを記事にすればいいかと、迷いました。普段から社会に対する疑問や苛立ちがあったので、それを解消するようなテーマを、と決めていました。例えば、親をみた時に、母親の方がキャリアが進んでいないことについて、感じていることがありました。

特に印象に残った取材先・人はいますか?

須藤:当時、自民党で活躍されていた女性議員の山東昭子さんが印象に残っています。質問した答えがうまく返ってこない、また私と意見が違ったこともあり、聞き出しにくかったな、ということが印象に残っています。また、ヒューマン・ライツ・ウォッチの代表土井香苗さんは、かっこよくて印象に残りました。

大人のサポートはどうでしたか?

須藤:記事をクリアに書く練習や、文章を訂正していただく中で学ぶことができました。大人たちは、私がやりたいようにガイドしてくれました。例えば、インタビューの日時を計画してくれたり、スケジュールを管理をしてくれたり、締切を守ることのサポートをしてくれました。これらは、大人になった時にも必要なスキルです。また、家族や学校の先生以外にも、第三者の立場から信頼できる大人がいたのは、プラスになりました。

この団体の意義は、なんだと思いますか?

須藤:社会を知ることができる、とてもいい機会だと思います。インターネットで調べたことは、他の人がまとめた調べたことなので、自分で調べたり、直接相手に会うことは、情報量の深さが違うと思います。

高校卒業後、イエール大学に入ったということですが、きっかけは何ですか?

須藤:英語ディベートの世界大会で、ボロ負けしたことがきっかけです。そこで自分がいかに、世界の他の子たちと劣っていたのかを知り、アメリカの大学に行こうと思いました。

実際に行ってみてどうでしたか?

須藤:自信がつきました。行ってみたら、大したことなかったです。変に劣等感を抱いていました。ディベートに出ていた学生もいて、友達になりました。実際に話してみたら、普通の人たちでした。世界ランキングは、イェールは高いですが、日本の学生もそれに劣っていないな、と思いました。

成田祐輔さんと一緒に共同研究していた、と聞きました。何かエピソードはありますか?

須藤:学生の私に対して、リスペクトをもって接してくれました。学生であっても、対等に話をしてくれたことが、とても印象に残っています。

(卒業後、金融でトレーダーになる予定)なぜ金融業界を選んだのですか?

須藤:マクロな視点で経済の動きをみれると思いました。国際政治・金融政策・政府の政策も関係してくるので、より広い視点で、経済の動きを見られることや、中高生の頃から、興味があった分野ということも理由です。

これからの目標はありますか?

須藤:模索中ですが、仕事をクビにならないように頑張ることが優先です。私が就く部署は女性が少ないので、自分がこの場所に残ることで、女性の存在を増やしていければいいな、と思います。


「学生の時ほど、自分が知りたいことを追求できる時間はありません」

愛(19)

今回お話を伺った記者OBの須藤亜佑美さんは、2017年にチルドレンズ・エクスプレスが解散した時の最後の記者です。彼女は元々取材活動に興味を持っており、高校生の時に学校内に貼られていたポスターを見たのがきっかけで、記者になりました。そして、今年Yale大学を卒業し、秋から社会人になるというところで、OBとしてインタビューに協力していただきました。

Yale大学に入学したきっかけを教えてください。

須藤:高校生の時、ディベートの日本代表に選ばれました。しかし、2年連続でボロ負けしてしまい、私は世界に対して劣っているのだと思うようになりました。そこで、自分を変えたいと思うようになりました。また、日本の大学は、女性教授が少ないという事実があり、もっといろいろな教授がいる学校へ行きたいと、アメリカの大学進学を決意しました。

大学在学に取材活動の経験が活かせたシーンなどはありましたか?

須藤:取材活動のおかげで、社会の考え方に興味を持つようになりました。大学では、Yale Daily News で記事を毎日書きました。

金融業界で働くそうですね。なぜそこで働こうと思ったのですか?

須藤:色々迷いました。しかし、経済学の博士課程で学んでいく中で、政治関係、国際政治、金融政策など、政治の様々なことと、これらは複雑に関係していると気づきました。そこで、金融業界で働きたいと決めました。また、中学・高校のときに持っていた興味とも繋がっているのかなと思います。

ユースエクスプレス・ジャパンの意義は何だと思いますか?

須藤:取材活動は、社会を知る良い機会だと思います。また、取材活動では色々な人に話を聞くことができ、本や雑誌ではわからなかったことを知る良い機会でもあります。インターネットで得られる情報は、他の人がまとめた情報であるため、自分で調べたものとは違う深さがあることがわかりました。

また、私は記事を書く際に、全ての情報を書くことができない、ということに気づきました。ニュースや記事を消費する時、私が読んでいるものが読者にわかりやすくするために、いろいろな情報が削られているのだと知ることは、とても有意義でした。記事を書くプロセスの時に、様々な情報が仕方なく省かれてしまっている、と知ることができて、良かったと思います。

記者へメッセージやアドバイスをお願いします。

須藤:とりあえず記事を書いてみましょう。テーマを絞るのには時間がかかります。これで本当にいいのかな、と思ってしまう時ときもあると思います。でも、とりあえずテーマが変わっても良いので、インタビューを始めてみましょう。

学生の時ほど自分が知りたいことを追求できる時間はありません。今こそ、それができるチャンスです。今ある時間を存分に使ってください。


「迷ってもとりあえず書き上げる」

颯(16)

今年イェール大学を卒業されたという記者OBの須藤亜佑美さんにお話を伺いました。僕が想像していたのはバリキャリな女性でしたが、違いました。優しい感じの方でした。

記者活動をやって良かった、と思うことは何ですか?

須藤:自分の興味のある分野を深めることができ、自主性を身に付けることができた。そのおかげで、社会に対して興味や関心をより持つようになった。

取材テーマを決める際、どのような課題がありましたか?

須藤:自分が取材をしてみたいというテーマの中で、どれを選び、どの角度から取材すればよいかということが課題だった。

特に印象に残った取材を教えてください。

須藤:自分と異なる意見の人に取材をした時、自分として、中立な立場で、相手の言葉を変えずに記事を書くか、ということに悩まされたことがありました。

そういう時は、どのように記事を書いたのですか?

須藤:相手の言葉を曲げずに、インタビューをした人の話をとにかくまとめて記事を仕上げました。

当時、ボランティア等の大人のサポートはどうでしたか?

須藤:自分だけの目線で記事を書くのではなく、周りの大人達に読んでもらうことで、第三者からの視 点を知ることができました。

最後に、これからは社会人になられますが、どのようなことをやっていきたいですか? また今後の目標を教えてください。

須藤:金融業界に勤めるつもりです。社会の動きについて興味があったので、マクロな視点で社会を見ることができる金融トレーダーに興味を持ちました。まだこの業界は女性が少ないので、それを変えられたらいいなと思います。

ユースエクスプレス・ジャパン記者へのアドバイスをお願いします。

須藤:記事を書く時、迷ってもとりあえず書き上げることが重要です!!