鎌倉で活躍する学生団体–New Columbus
記者:杉浦公泰 Sugiura Kimiyasu(16歳)
私が参加している鎌倉の「New Columbus(ニューコロンブス)」。「学生の居場所を作る」をモットーにボランティア活動を行っている学生団体だ。この度運営代表の立場である”船長”が交代した。先代の菅野匠吾さん(21歳・現在大学生)に代わり、新しい船長は高校3年生の松山亮翔さん(17歳)だ。インタビューでは、学生団体の運営にまつわるエピソードや活動の内容、地元の人からどう思われてきたのか、そして今後の課題とゴールについて聞いた。
学生団体ニューコロンブスとは
ニューコロンブスはどのようなきっかけから始まった団体ですか。
松山さん:
ニューコロンブスは5年前、2020年の5月20日にできた団体です。コロナ禍の中で学生の居場所や行事などがなくなってる中、「学生のための、学生が作る学生の居場所を作ろう」って、始まった団体です。
ニューコロンブスができた当初から今も変わらず大切にしていることは何ですか。
松山さん:
ニューコロンブスで大切にしていることは二つあります。一つ目は「可能性のスタート地点」という理念を掲げていることです。可能性のスタート地点は、どんなに小さい思いつきとか、やりたいことでも、実現に向けてみんなで一歩踏み出して、みんなで形にしていくっていう理念なんですけど、これは変わらず5年前からあり続けて、今も大切にしていることです。
二つ目は鎌倉を拠点に活動していることです。最近は活動回数も増えてきて、湘南地域とか横浜などでも活動してるんですけど、ずっと拠点は、鎌倉です。

鎌倉を拠点に幅広く活動
どんな人が活動に参加していますか?
松山さん:
現在、高校1年生から大学4年生までの学生が183人のメンバーが所属しています。鎌倉を拠点にしているので、鎌倉市内在住のメンバーが半分以上います。それ以外にも藤沢とか横浜とか、東京、京都からも参加してくれるメンバーがいます。鎌倉が好きとか、鎌倉地域に貢献したいっていう学生が集まってくれています。
具体的にどのような活動をしているのか 教えてください。
松山さん:
本当に幅広く活動しているんですけど、中心となるプロジェクトが今16個ありまして、今日の「コロンブスヴィレッジ」という、畑作業とか自然と触れ合うプロジェクトもあるんですけど、軸としては「MiiGO(ミーゴ)」いう”遊びとゴミ拾い”を掛け合わせたイベントをやっていて、そちらを僕たちで「祭り」として行っています。
MiiGOは謎解きとゴミ拾いをかけ合わせたイベントで、謎を解くための必要なキーワードがあり、そのキーワードはゴミ袋を満タンにしなきゃもらえないというシステムになってます。子どもたちが「気づいたらゴミ拾いしてた」とか、「遊びながらゴミ拾いした」っていうイベントです。
ニューコロンブスを一言で
ニューコロンブスを一言で表すと何でしょうか?
松山さん:
ニューコロンブスという団体を一言で表すと、僕にとっては「出会いの場」ですね。いろんな意味で出会いの場で、たとえば経験と出会うとか、人と出会うとか大人と出会うとか、いろんな意味だと思います。
菅野さん:
僕は「学生の居場所」という意味合いが一番強いんじゃないかなと思っています。ボランティアとかビーチクリーンとかしてるだけじゃなくて、学生が集まれる場所というか、何か暇だなとか思ったときとか、なんかしんどいなと思ったときに、このニューコロンブスがあるのはすごく大きいんじゃないかなと思ってます。
地域との関わりーーエピソード
普段関わっている地域の人はどのような人たちでしょうか?
菅野さん:
地域の方々は本当にいろんな人と関わっています。たとえば企業さんもいらっしゃいますし、もちろん保護者の方々も、あとはこういう農家さんのお母さん、地域の方々、いろんな世代のいろんな方とも関わらせていただいております。
地域のどんな人からお声掛けをされることが多いですか? また、嬉しかったエピソードがあれば教えてください。
松山さん:
活動してたりすると、一緒にイベントをやるやる人とかはもちろん、いろんな人と関わってるんですけど、一番嬉しかったなと思うのは、イベントとかゴミ拾いとかのときに、本当に地域の市内在住の人から「偉いね」とか、「こういうことしてくれるから鎌倉系だね」とか、「鎌倉の未来は明るい」とか、そういうのを言ってくれると、無難ではあるんですけど、すごく嬉しいなっていうふうに思ってます。

「この一面でおよそ30キロの小麦になる。日本の小麦はうどんや団子に向いている」と森田さん
菅野さん:
企業さんとか、地域の高齢者の方とかから、スマホ教室やってほしいみたいなお願いがあったり、学童で一緒に子供たちと遊んでほしいみたいなお願いがあったり、そうやって地域から頼りにされてることが、僕は嬉しいと思ってます。
新船長に代わって
今年に入って船長が交代して松山さんになりました。新船長から意気込みを教えてください。
松山さん:
今年2025年度に5代目の船長とさせて就任させていただいたんですけど、高校3年生で、今までの先代の船長たちはみんな大学生だったので、高校生っていう初めての試みのプレッシャーがありました。去年は副船長やらせてもらってて、先輩たちについていって、自分の中でもいろんな経験ができたので、ここからその経験をどう生かしていくのかがすごい大事だなと思っています。自分たちの時代を作るのに、自分なりの色を出して頑張っていきたいと思ってます。
菅野さん(前船長)から新船長に向けて、新しい成長に対する期待を教えてください。
菅野さん:
ありがたいことに、知名度や、メンバーの数も人数もすごい増えてきて、どんどん大きな団体になっていると思います。、学生の居場所として、大人の意見とかじゃなくて、学生である自分たちのやりたいこと、大人からの評価とかも全然気にしなくていいから、どんどん自分の信じる道を進んで欲しいと思ってます。

船長交代で、団体として変化したことはありますか? また、新しく船長として挑戦をしようとしていることはなんでしょう。
松山さん:
幹部が一気に変わったので、団体の方針などにも、変化がありました。だけど僕の思いは、僕自身も大好きな今までのニューコロンブスを好きになってくれた人の為に、今までの先輩たちが作ってきたものは崩したくないなと思っています。自分なりの色も出しますが、4代目船長の菅野先輩や、前の先輩の航海とかも大事にしていきたいなと思っています。今年5周年っていうのがすごい大きな節目でもあり、大きな転機だなと思ってるので、新たな挑戦として、5周年イベントを三つ企画しています。
自分の中でも挑戦でもありますし、今後にも大きく繋がっていくんじゃないかなと思ってます.
団体に参加してから、ご自身が変わったと感じることは何ですか。
松山さん:
団体に参加してから、自分がすごく変わったなと思ってて。ずっとバイトばっかしてたのでこういうボランティアとかはあんまりやったことないし、最初はゴミ拾いとか、ビーチクリーンの団体での活動を聞いてたのでちょっと意識高いな、とか思っていました。
入る前は、ポイ捨てとかもしたことあったし、分別もそのやり方もわかんなかったっていうのが正直なところなんですけど、本当にこの団体と出会ってから、ゴミ拾いとか始めるようになって。最初は楽しくないなと思ったんですけど、みんなでやるゴミ拾いがすごい楽しいなと思うようになって。そこから自分の中でも、ただのゴミ拾いじゃないなと思うようになったし、分別意識も、前より高まったんじゃないかなと思っています。
菅野さん:
僕は、ボランティアとか地域貢献とかに対する考え方が変わりました。たとえば、僕は人のために何かをすることが元々好きで、鎌倉のために何かしたいと思ってこの団体に入ったんですけど、ボランティアとか地域貢献とかしていくうちに、自分自身がどんどん楽しくなってきちゃって。
こういう、畑のボランティアとか、あとは地域のお祭りのお手伝いをするボランティアとか、一つのイベント、ボランティアに参加するたびに、もうどんどん経験が増えて、いろんな地域の人と関わりも増えていき、最終的に自分のためになってるんだっていうことを、この団体に入って実感することができました.
今後予定しているイベントのことや地域との関わりの中で挑戦していることを教えてください。また、同じような活動をしている全国の中高生へのメッセージをお願いします。

松山さん:
5月は土日全て埋まってしまっているぐらい、イベントが重なっています。「ビッグミーご」という、先ほど説明したMiiGO」いう遊びとゴミ拾いを掛け合わせたイベントを、もっとビッグに。謎解きもビッグにして、鎌倉市全体を使った遊びながら備蓄するイベントを行います。 5周年企画の1本目ということで、かなり力も入ってますし、みんなで頑張っていきたいなと思っております。あと10、11日にも大きなイベントがありますよね。
菅野さん:
METROCKっていう東京の音楽フェスのボランティアをします。内容としては、ゴミの分別、ゴミ箱の前に立って僕たちが分別します。 今、多分チケットをまだ販売してるので、ぜひよろしければ、僕たちの活動を見に来てください。*
*METROCK2025は終了済み。詳しくはhttps://metrock.jp/
全国、海外の中高生へ「一緒に活動しよう!」
全国の中高生にメッセージをお願いします。
松山さん:
僕もまだ1年半ぐらいしか経っていないので、わからないこともありますし、皆で、何かお互いに助け合って、お互いに知り合って、知識も増やしていって、自分なりの経験を見つけていくことができたらなと思っています。
もしニューコロンブスの活動に興味がある方はお声掛けしてほしいし、関わっていきたいと思う方も、ぜひお声がけいただいたらウェルカムなので、よろしくお願いします。
菅野さん:
学校と家の往復になってる子とか、最近結構いると思うので、そういう子たちにこそ、Newコロンブスを居場所として活用してほしいなと思ってます。日本各地のメンバーもいるので、日本全国、どこからでも待っています。ぜひ一緒に活動しましょう。
取材後記: 5年間続いているという、学生団体の中でもかなり長寿なNew Columbusですが、リーダーが変わっても大切にしているものは変えず、地域に愛される団体として歩んで行って欲しいです。今後の活動にも注目です👀
自己紹介: 今回初めての記者活動なので、自分と馴染みの深い団体に取材を行ってみました。今後も皆さんに面白い、と思ってもらえるような、様々な記事を発信していこうと思います。