記者:島田 菫(12歳)

 「脱ゆとり」こんな言葉が聞こえ始めたのは、ごく最近だ。

 昭和52年から始めたゆとり教育の見直しが始まっている。理由は「学力が落ちた」。 国際学力調査で日本は読解力が8位から14位に、数学が1位から6位に。そこで文部科学省は以前から動きのあったゆとり教育の見直しに拍車をかけた。

 しかし、本当に見直しの必要があるのだろうか。たった2回のテストで勉強法を急に変えてしまってもいいのだろうか。順位は落ちたが他の国々と比べたらまだまだ日本は優等生ではないのか。

 私たちチルドレンズ・エクスプレス記者は、4月27日に文部科学省の塩谷立副大臣を取材した。「読解力や学習意欲が低下していることから、もっと学力が低下してしまうのではないかと心配する人が多い。それを踏まえて学習指導要領の見直しをしている」と塩谷副大臣は説明した。

 他にも学力を上げるために総合的な学習の時間を減らせという意見も出ている。それについて塩谷氏は、「総合的な学習の時間を評価しているところはたくさんある。特に小学校では評価が高い。中学校になると学力への心配があるから、評価が多少下がるが、ある程度の評価はある。学力が下がったから総合的な学習の時間をやめるという極端な方向にはいかないが、時数見直しの意見は多少あるかもしれない」と答えた。

  しかし、総合的な学習の時間はゆとり教育の象徴でもある。総合的な学習の時間を減らすことをきっかけにして、ゆとり教育は壊れていってしまうのではないか。そのようにコロコロと変わっていく教育に子どもたちはついていけるだろうか。塩谷氏は「コロコロ変えるという印象を与えているということは反省しなければならない。本当の意味のゆとり教育は自分で考え自分で努力できる力をつけることだ。それが間違って伝わったようなところがある。ゆとり教育は本当はこうですよと正しいやり方を話し合って答えを秋ぐらいには出すつもりでいる」と語った。 文科省では、ゆとり教育の方針が伝わらなかったため、方針を見直すようだが、ゆとり教育から脱する訳ではないという。
 秋の答えが、子どもたちのことを第1に考えた答えであって欲しい。