佐藤美里菜(15)

起きるのは 7 時。受験勉強のために夜の 10 時すぎまで塾で勉強。帰るのは 11 時。寝るのは 12 時…。

 受験塾に通う、自分自身の弟やその同級生を見ていて不安になった。小学生のころから夜遅くまで起きていて、はたして身体や精神的な影響はないのか。

富山大学の関根道和准教授

 2006 年 9 月 27 日に栄光ゼミナール用賀校で受験勉強をしている小学6年生に取材した。ある女の子の場合は「早く寝なさい、と母親に言われるが、遅くて 10 時までは勉強している」。それに対して男の子の場合「もっと勉強しなさい」と親に言われる、というのが多いようだ。生活に支障はないのか。「学校でたまに眠たくなる」「眠くはならなくても、ぼーっとするときがある」。また、某塾講師は「テスト前だと夜中3時まで勉強している子もいる。テスト前でなくても夜中1時まで起きている小学生もいる」と話す。実際に私の弟も塾が終わるのが 9 時半すぎで、その後に夕食を食べ、学校の宿題や塾の復習をしていると寝るのは 12 時をすぎることがほとんどだ。

 2007 年 1 月 28 日に富山大学の関根道和准教授に睡眠時間について取材した。 Benesse 教育研究開発センターが 2006 年4月に実施したアンケートによると、小学校高学年の寝る時間は 9 時間が 45 %( http://benesse.jp/blog/20060425/p3.html )。関根准教授は「個人差はあるものの、小中学生の睡眠時間は7時間~9時間ぐらいがよい」と話す。そして「“寝る子は育つ”というのは科学的にも正しい。筋肉や骨格を作る、成長に必要な成長ホルモンは寝始めてから3~4時間の間に脳下垂体から分泌される」と続けた。また、寝不足によって血糖値や血圧が上がったり、肥満体質になりやすくなるそうだ。関根准教授は「休みの日ぐらいはゆっくり寝た方が良い」と話す。私が小学生のころの休みの日は、朝早くから遊びに行ったりしていたため、それだけ最近の子どもたちの睡眠時間は少ないのだろう。

 必ずしも寝れば成長するというわけではないが、睡眠時間を充分にとることは成長する上で1つの重要なプロセスなのだ。

 しかし、受験に合格することも大切であり、それにはたくさんの勉強時間が必要だ。では、短時間で質のよい睡眠時間を得るにはどうすればいいのか。関根准教授は「交感神経を刺激するカフェインを含むものを、寝る3~4時間前にとらないこと」や「ほどよく運動をして体を疲れさせる」「入浴するなどして体温をあげる」「日光に当たって 24 時間のリズムを体で感じること」などの方法があると話した。

 栄光ゼミナール用賀校の教師は「昔はよく“三当五落”と言って3時間の睡眠時間をとれば合格するが5時間も寝たら受験に落ちる、といわれていた。でも本当はそんなことはなく、要領よく勉強して睡眠も最低限必要」と話していた。

 眠くたくて、ぼーっとした状態で長時間勉強するよりも、睡眠時間を最低限とり、勉強に集中できる状態で要領よく勉強することの方がずっと効率的ではないだろうか。ただ、そうは分かっていても睡眠時間が十分にとれないのが現実だろう。少しでも関根准教授のいう「質の良い睡眠」を心がければ、なにかが変わるのではないかと思う。